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 2002年11月12日 北國新聞社
コンビニ各社、既存店をてこ入れ サンクスは石川の直営をFC転換

 大手コンビニエンスストアが北陸三県の既存店強化でしのぎを削っている。ライバ
ル店との競争激化や単価下落で既存店ベースの売上高が伸び悩んでおり、無駄な経費
を削って商品開発や販促活動を強化し、顧客の来店頻度を高めようとしている。店舗
網拡大のペースも鈍っており、より集客が見込める場所への移転を既存店のオーナー
に促す動きも活発化している。
 北陸三県でのコンビニ大手の店舗数は八月末時点で「サークルK」が二百六十一
店、「ローソン」が二百二十四店、「ファミリーマート」が百九十八店、「サンク
ス」が百三十店となっている。競争激化に加え、消費低迷で「客数は減らなくても単
価が下落している」(サークルケイ・ジャパン)ことが響き、二〇〇二年八月中間期
は四社とも北陸の既存店売上高が前年同期を下回った。
 石川、福井県内でサンクスを展開するサンクス・ホクリア(石川県鶴来町)は上期
の既設店売上高が1・4%減となっており、直営店のフランチャイズ(FC)店への
転換を加速させる。直営店を持つことは早期の店舗網拡大でメリットがあったが、
「人件費負担が重く、他加盟店への販促支援に影響」(瀧下竹男専務)ためだ。
 上期中に直営三店をFC化し、現在の直営店数は十五。下期も三店を本体から切り
離し、資金を商品開発や共同販促費に回して既存店への支援体制を強化する。
 ローソンは弁当などで地域限定商品の開発に取り組み、他チェーンとの違いを打ち
出す方針だ。地域ごとに商品部を設置して、市場調査を進め、既存店の商圏を固める。

 上期の北陸での店舗増加数はサークルKが九店、ローソン、ファミリーマートが各
二店、サンクスが五店といずれも一けたにとどまった。増加ペースに一時の勢いはみ
られず、富山県内ではサークルKを除く三社が店舗数を減らした。出店計画の中心は
店舗網拡大から、既存店をより需要が見込まれる地域に移すことに変わっている。
 サークルケイ・ジャパンは下期、北陸で十店程度の新設を予定する一方、集客力、
利便性向上を目的とした既存店の移転も進める。北陸事務所を併設する金沢市の新神
田店を近隣の中古車展示場跡に移し、駐車台数を大幅増車で準備が進行中。
 ファミリーマートも「需要増が見込めない既存店については早めに見切りを付け
る」(広報部)とともに、ホテルや病院などの建物内への出店の可能性を検討する。
 

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