アジア大会のチケットを誤って販売した「サンクス西新宿１丁目店」

　２月に青森県で開かれる冬季アジア大会で、競技当日に会場で引き換えるはずのチケット２枚が東京都新宿区のコンビニ店で誤って事前販売されていたことが４日、分かった。コンビニ店頭でチケットの申し込みをしてもパソコンの画面上に販売できないと表示されるが、店員がそのまま発券ボタンを押し、販売してしまった。

　大会組織委員会によると、販売されたのは２月２日に青森市の青森県営スケート場で予定されるフィギュアスケートのＳ席。12月24日午後10時ごろ、新宿区の「サンクス西新宿１丁目店」で販売されたという。

　通常のチケットは全国のコンビニ「サークルＫ」または「サンクス」店頭で申し込み、その場で店員がパソコンに入力して発券、販売される。しかし、この日のフィギュアスケートＳ席に関しては画面に「販売できません」と表示され、店員はその旨を説明することになっていた。

　ところが応対した店員は販売できると思い、発券ボタンを押してしまった。するとチケットは発券され、そのまま客に売ってしまったという。組織委の企画財政課入場券担当者は「発券できないプログラムになっているはずが、システム上のエラーでできていなかった。ただ販売しないよう指示はしていたし、表示も出るのだから、あえて発券ボタンを押すわけがないと思っていた」と釈然としない様子。一方で「店舗は全国に数多くあるし、末端までどう指示が届いていたかは把握していない」という。

　当日のフィギュアスケートは皇室関係者が観戦予定のため、警備上の理由から皇室席の近くのＳ席のみを例外として氏名などを特定させた指定席とする措置をとっていた。希望者が往復はがきで抽選に応募、当日に会場で身分証明書などを提示して当選券とチケットを引き換える方式。400枚のチケットに約３倍、約1200人分の応募があり、12月24日に抽選。組織委で当選者への通知の準備中だった。

　組織委はホームページ上で“緊急告知”として購入者に連絡を呼びかけている。申し出があれば名前を控えた上で、すでに抽選した400席以外の指定席チケットを送るという。